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酔狼通信 297
24.10
「中国地方4県ツーリング」の巻
去年に続き今年の夏も猛暑やった。10月になっても所によって30℃を超える日がある。「土日どちらかで体を動かす(走る、または歩く)」「暑さ寒さをできるだけ言い訳にしない」を二大目標にしている酔狼も猛暑の中、連日走る自転車ツーリングにでかける気にならなかった。
それでも10月に入り、ようやく暑さも緩んできたので、夏に何度も計画断念を繰り返したプランを実行することにした。
10日。
下りの始発で新見まで。今日のルートは存続が危ぶまれている芸備線に沿ったルート。沿線を何度か走ったことはあるが乗車は青春18切符を使ってのみで1円も貢献していない。
新見から小さな峠を越えれば備中神代から県境までは酔狼の脚でも上りと感じないほどの緩やかな上り。
矢神駅
県境を越え、広島県庄原市東城。コンビニで昼の買い出し。東城駅から備後落合駅までの芸備線は一日三往復。
備後八幡駅でいつものように休憩、昼食。列車も人もやって来ない。一日の平均乗降者数は「0」。
この秋、初のキンモクセイ。
備後八幡駅、内名駅、そして小奴可駅の手前までは川沿いの細い県道を走る。車に出遭う確率はかなり低い。
小奴可駅の先で国道に出る。国道の分水点の手前から道後山駅に向かう細い県道に入る。ここは以前一度走ったことがあるはずやが、道路の記憶はまったく無い。
国道に出て自販機で温かいコーヒーを買う。半袖短パンで谷間の陽の射さない林の中を走りすっかり冷えてしまった。下り坂に備えウィンドブレーカーを着込む。
東西両方向からの芸備線、木次線のいずれも一日三往復の列車が午後の便では同時刻に備後落合駅に停車する。しかしこの日は木次線の列車は出雲横田駅までの運行で三線同時入構とはならなかった。
芸備線の廃止問題が取りざたされているからだろうか、平日だというのに両列車とも数名の乗客がいた。しかし備後落合で降車する人はおらず、銘々写真撮影に余念がない。
備後落合駅から宿まで少し上る。
早々に宿に着き、明るい時間に温泉に入り、風呂上がりにビール。
宿泊客は二人。早い夕食、ビールで撃沈。
11日。
朝食の後、炊飯器にたくさん残った飯でお握りを一つ作らせてもらう。ふりかけを出してくれた。午前中のコースはほぼ買い出しが見込めない。
8時前に出発。長袖長ズボン、ウィンドブレーカーのフル装備。きつい上りになるとウィンドブレーカーを脱ぎ、下りで着こむを繰り返す。
今日の午前中は昨日と打って変わって10%超えのキツイ峠が二つ半。
キツイ峠を一つ越え、計算外の短いがキツイ坂を越え熊野神社。下りは想像以上に冷える。10月に入っても真夏日のニュースを耳にし体感していたのに、少し山の中に入っただけで季節感が全く違う。この日、ほぼ晴れの一日やったが半袖短パンの出番は無かった。
左:熊野神社の老杉 右:熊野の大トチ
熊野神社から少し下り、再度上った集落のはずれに「日本一のトチの大木」。
しばらく見とれ、傍にある小さな祠に見物料代わりの賽銭をと思っていたらスズメバチが飛び交うのを見つけ、すごすごと退散。
集落まで下り、再度上り。細い県道(手持ちの地形図では実線の道路:幅員1.5~3m)をじわじわ上り、最後はキツイ上りを頑張って、長くくねくねして落ち葉小枝小石の道をゆっくり下る。
ようやく広い道路に出るが、朝から2時間余りで15kmほどしか走っていない。大木二か所の見物時間を入れても遅そすぎる。先が思いやられる。
一旦下り切った所の近くに重要文化財の古民家があったが立ち寄る余裕がない。
国道の峠を上り、トンネルで峠を越える。旧道の峠を越える気力は無い。
緩やかな下りで旧高野町の中心部へ。そう、合併して広くなっているとはいえ、3時間余り走って庄原市から出ていない。って言うか、昨日の県境から考えれば丸一日庄原市内を走っている。
午前中のルートで唯一ともいえる買い出しポイント、デイリーヤマザキで弁当、お茶を買い運動公園の片隅で朝握ったお握りと共に昼食。
午後のコースは(まだ11時半やけどね)小さな峠を越えて島根県に入ればほぼほぼ下りになるので一安心。
緩い勾配の坂を100mほど上り王貫峠(だわ)で島根県に入る。島根県側は一転勾配がキツイ。いわゆる片峠。国道やけど車はほとんど来ない。
下りの途中に、やはり重要文化財の櫻井家住宅。田部家、絲原家同様たたら製鉄で財を成した。松江藩主を迎えるために贅を尽くした造り。
上阿井から小さな坂を越えて一本西の川筋へ。10kmほど下って国道に出る。ここまで来ればもうひと息。しかし車が多い。国道のトンネルを走りたくない。で、トンネルに挟まれた合流点から上流の短い方のトンネルを抜け、川沿いの細い道路を抜けることにする。
途中、「通行止め、落石注意」の標識があったが、なんとかなるやろうと進む。ま、通る車も極端に少なく、管理上の問題なんやろね。自転車は十分通れた。
木次駅。時間にゆとりがあるので観光案内で、何かお薦めはと尋ねたら「坂がとてもきついですけど」と山上の峯寺を勧められた。しかし、もうそんな脚は残っていない。
斐伊川にかかる橋を渡っていたら少し上流に沈下橋を見つけ寄り道。
今夜の宿のビジネスホテルはチェックインが16時以降ということなのでコインランドリーで洗濯。洗濯を終え乾燥をセットし缶ビール350mlを手に宿へ。
シャワーで汗を流し、缶ビールで息を吹き返し、コインランドリーへ洗濯物の回収に。
ついでにコンビニで夕食朝食の買い出し。
いつものように早い時間の夕食、ビール、缶酎ハイで爆睡。
12日。
朝7時に出発。予定にはなかったが2km余り逆走して旧三刀屋町の町並みをぶらり流す。高校のフェンスに「祝 銃剣道部 国民スポーツ大会出場」の横断幕があり驚いた。「銃剣道=自衛隊」という認識しかなかった。いつものことながら何にも知らんなぁ。
木次、大東を抜け海潮温泉の先に「海潮のカツラ」
さらに進むと「道路工事中 夜間及び日曜を除き通行止め」の立て看板。えぇ~っ回り道せなあかんか~と思いつつ、看板をよく見ると、上にカレンダーが貼られていて、土日は全て通行可になっていた。看板の裏に「解除中」のマグネット表示がそのままになっていたけど、通れるハズと峠に向かう。
途中の工事個所は無事通過、峠の工事も土曜は休みで無事通過。こちらの工事用立て看板には「解除中」マグネットが貼られていた。
少し下って熊野大社。ここは出雲大社とともに出雲國一宮だそうや。清々しい境内。背後の杜が気持ちいい。
でもまだ肌寒い。賽銭を作るために自販機の温かいコーヒーで千円札を崩す。
一つ坂を越えてした支多備神社。スダジイの巨木。ここでもスズメバチが飛び交う。それも肘の高さで体のすぐ傍を。体が固まる。そぅ~っと、そぅ~っとスズメバチから逃げる。
見出し h6
日本一のスダジイ
自転車に戻り、ようやく陽が射し始め、スズメバチ効果もあったのか暖かくなり半袖短パンに。朝はほんとに肌寒かった。道路脇の温度表示は11℃やった。
ここからは中海にある大根島に向かい地図を読みながらオリエンテーリング。田舎道、キンモクセイの香りが漂う。
目的はTVCMで有名になったのかな?「ベタ踏み坂」。中海周辺や島根半島も走ったことがあるけど大根島には渡ったことがなかったのでコースに組み込んだ。
ん~んん、写真の撮り方やろなぁ。そんな急坂に見えない。上りは確かにきついけどね。
たぶん、右斜め下から撮るのが正解かな。
橋を渡り弓ヶ浜半島を米子に向かって走る。古い地形図を頼りに走っている酔狼、地形図の継ぎ目にかかり、米子空港の滑走路延長によるJR境線や道路の形状が変わり、しばし現在地を見失う。
しばらく走り、ようやく現在地を認識し古い街並みの中へ逃げ込む。おそらく古い小さな砂丘の高まりの上に集落が線状に続いているんやろう。
古い集落から米子の市街地へ。そして駅へ。1時前、まずまず予定通りの時間。
自転車をばらし輪行。駅弁缶ビールを買い、新しくなった「特急やくも」に。輪行袋を押し込むスペースのある最後尾の席も確保できた。
発車と共に昼食、ビール。車窓に青空をバックに大山。大山寺への上りもルート作りにはのぼったけど、今回はパス。
播州赤穂へ帰ると中国山地の山の中とは違いまだまだ暖かい。
さて、次はどこへ
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