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酔狼通信 308
26. 09
「月日は百代の過客にして」の巻
盆休みの連休に自転車ツーリングに出かけるのは、もう暑さに負けてできなくなった。9月連休、うずうずと心が騒ぐ。え~い、走ってしまおう!
9月17日
午前中の仕事を終え、新幹線を乗り継ぎ山形へ。福島から分岐し、在来線の線路を利用する山形新幹線、最初の停車駅は米沢駅。車窓には、ごく普通の在来線のホーム、そして反対側には普通列車が停まっている。新鮮。
山形駅前のBH泊。
18日。
駅の傍の山形城址にある県立博物館の開館は9時。時間調整に数km先の唐松観音堂へ。

20日の「日本一の芋煮会」を前に地元TV局のニュースは芋煮でいっぱい。
写真は唐松観音堂前の駐車場にある初代の大鍋。後に観音堂。
県立博物館。目当ては縄文土偶「縄文の女神」、国宝。これまでにもレプリカは見ていたが、こちらは実物。いつもながらの、「へぇ~」「ほぉ~」



左:山形城 一の門 右:旧済生館本館
町中に「文翔館」、旧県庁。

市街地 を抜け、山寺(立石寺)に向かう。
「月日は百代の過客にして、行きかう年もまた旅人なり」そう、酔狼が中一の国語の教科書で出会った、芭蕉の「奥の細道」の一文。子供心に抱いた、旅への憧れ。その小さな心の中の火が、たぶん今も、ちろちろと揺らめいている。
日光、黒羽、白河の関、塩竃、松島、平泉とこれまでも近くを走る際に訪れてきた。そして、今回は「立石寺」。
立石寺参道を行き、奥の院への登り口のそばの食堂で昼食。「蕎麦と芋煮」そう、とりあえず芋煮。
自転車を置かせてもらい、ビンディングシューズの金具を外し、立石寺の石段を登る。酔狼のシューズは金具があっても歩けるが、さすがに千段の石段の昇り降りはキツイ。


奥の院まで登って下りて、あ~、しんど。「お母さん、内緒でビール頂戴。」缶ビールで生き返る。

山形はフルーツ王国。サクランボの季節ではないが、リンゴ、ラ・フランス、ブドウ‥‥
田舎道を天童へ。天童は将棋の町。日本一の将棋駒の産地。駅前の「資料館」。

泰将棋?こんなん、それぞれの駒の動き方も覚えられへんやん!
また田舎道を長瀞城址。村山に「最上徳内記念館」。村山泊。いつものように、シャワー、洗濯、ビール。
19日
朝、霧雨。カッパを着込むほどではない。この連休、台風25号が関東付近を通る予報で各地で大雨予報が出されている。気になるが、天気はどうしようもない。

田舎道、屋根の棟の「とがり」が特徴的。きっと積雪対策と勝手に解釈。
田舎道をくねくね走り大石田町。さらに走って「芭蕉乗船の地」の先で国道47号。思ったよりも交通量が少ないなと思っていたら、5kmほどでバイパスと合流。一気に交通量が増える。最上川沿いの狭い平坦地にJR奥羽本線と国道が走り、道路幅が狭く、路側帯も狭く走れない。ここからの15kmほどは道路の端をハンドルガチガチに握って走り、腕が疲れた。下りなのが救い。
清川で県道に逃げ込む。「清河八郎記念館」
県道をさらに進み「羽黒山」。
入山し、少し歩くと国宝の五重塔。その先に杉並木の参道。山頂まで登ると大変なので、適当な所で引き返そうと思っていたが、参道を歩く老若男女皆さん山頂を目指している様子。引き返し所を逃し、山頂まで歩く。杉並木を楽しむ余裕は無い。


下りも大変やったが、杉並木を楽しむ余裕が少し出る。しかし、二日続けてのキツイ石段を歩き、脚はパンパン。


左:宿坊 右:家々に飾られた年末の祭りに使われる大綱
地区を上下に分け、綱引きを行い来年の運勢を占うそう。どちらが勝っても吉とでるのは御約束
鶴岡の町を目指す途中に「肉うどん」の看板。笹川食堂。
メニューは「肉うどん」の小盛り、普通盛り、大盛りのみ。夏はこれに「冷やし」が加わるよう。
普通盛りでもボリュームたっぷり、豚肉、ネギ、海苔、揚げもたっぷり。ごちそうさん。
鶴岡藩藩校、鶴岡城址。
20日
雨。カッパを着込み走るが気分は乗らない。
酒田市、山居倉庫。北前船で栄えた倉庫が連なる。雨がやみ、カッパを脱ぐが、汗で濡れて少し肌寒い。ボランティアガイドさんに説明してもらう。


海岸沿いの道を北上。遊佐町の道の駅を覗いてみるが、人込みが嫌で、そのまま走り続ける。


たぶん鳥海山、そしてきっと飛島
秋田県に入り、にかほ市象潟の町中華で昼食。
芭蕉が「松島は笑うが如く、象潟はうらむが如し」と綴った象潟は、松島同様の九十九島が点在していたそうやが、江戸時代の大地震で隆起し、陸地にかつての島々が点在する不思議な景色。

象潟がそういう地形だと知らなければ、ただの風景
象潟からさらに海岸沿いを走り本荘泊。
21日
今日は昼までに秋田市まで走り、久保田城を眺め、秋田ー盛岡を輪行し、盛岡城見物の予定やったが、雨になる予報に、どこまで雨雲から逃げられるかと、早朝6時に走り始める。
あれっ?もう忘れてしまったが、幸い雨には降られず早い時間に秋田に着き、久保田城見物し秋田駅で輪行。
秋田新幹線で盛岡へ。盛岡行きの新幹線は次の大曲駅で進行方向を変えるので、始めは座席後方に向かって走り始める。すぐに雨が降り始め、窓を濡らす。ラッキーやが、盛岡の雨は覚悟する。
新幹線の停車駅ではない所で反対方向の新幹線とすれ違うため何度か停車。これにもビックリ。
雨は次第に強くなり、盛岡に着いた頃には本降りに。
輪行袋を担ぎ駅ビルを出るが、あ~、自転車組みたくないなぁ~。タクシーでそのまま宿に入るにしても、まだまだ時間が早いしなぁ~。昼飯も食ってないし。
気分の乗らぬまま、自転車を組み、カッパを着込む。駅ビルの交番で自転車を預けられる場所を教えてもらい、強い雨の中、町へ飛び出す。ほんの少しの距離でずぶ濡れになり、地下にある自転車預かり所へ自転車を預け、カッパのまま町へ。
なんやら居酒屋チェーン店で、馬肉のタルタルステーキと餃子、ビールで昼食。馬肉が美味しかった。
自転車に乗り、盛岡城を目指し町へ出るが、雨のせいか方向感覚が狂い、なかなかそれらしい場所にたどり着かない。ずいぶん迷って、ようやく盛岡城へ。

孕んだ石垣、崩れかかった石垣がやけに目についた。


盛岡城のそばに赤レンガ館(旧銀行)、石割桜。
宿に入って熱いシャワー、洗濯、ビールはお決まり。
22日。
千葉や都心では大雨が降ったようやが、盛岡は夜の間に雨がやみ快晴。
自転車の泥をぼろ布で拭い、チェンに油をさし、走り始める。まずは寺町通りを目指す。城下町独特の寺がいくつも並ぶ通り。盛岡城址近くにトチの木の街路樹、「トチの実が落ちます 注意」の看板。
市街地を抜け、国 道4号を避け、県道をあちらこちらと縫って南下する。この日は強い追い風に助けられる。向かい風やと、きっと心は折れていたハズ。
休憩し立ち止まると風の強さを実感する。追い風を受けて走っているときは、脚の調子がえぇなぁと思うが、そんなわきゃない。

北上川右岸から左岸に移り、宮沢賢治記念館を横目に「雨ニモ負ケ、風ニモ負ケ」とつぶやきながら走る。
北上駅には11時過ぎに着く。かなり遅い時間の特急券しか手に入れられてなかったので、券売機で切符の変更を試みるが、早い時間の座席は全て満席。一つ先の水沢江刺駅まで走る時間はたっぷりあるが、もうしっかり走ったので自転車を分解し、輪行袋に収める。
ダメもとで再度、座席変更にトライすると自転車をバラシている間に一番早い列車の三つ並んだ座席がキャンセルされていた。ラッキー!切符を変更し、緑の窓口へ行き、乗車券を購入する。
北上=大宮ー浦和(途中下車)ー東神奈川ー(横浜線)ー中山(途中下車)ー新横浜=姫路ー播州赤穂の切符をと、書いた物を見せる。窓口のお姉さんが悪戦苦闘した結果、新横浜ー中山間を往復する事になるのでと、新横浜ー中山の往復切符2枚と「北上‥‥東神奈川ー新横浜=姫路‥‥播州赤穂」の切符計3枚の切符を購入。
北上で昼食をと思っていたが、時間が無いのでコンビニお握りとビールで我慢する。
北上から乗り込んだ新幹線はまだ乗客も少なく、大きな輪行袋を最後尾の座席の後に置くことができて良かった。
疲れとビールでうつらうつらしながら仙台、福島、宇都宮と過ぎ大宮で在来線に乗り換える。大宮駅には、うじゃうじゃと路線が走り、お上りさんの酔狼は「浦和に停まるのかなぁ?」と不安になりながら東京方面の列車に乗り込む。
無事、浦和駅で途中下車。輪行袋を担ぎ駅のすぐ近くのビジネスホテル(たぶん、かつては駅前旅館、和室)へ。
19時、HUCCの同期、ドダと駅改札で待ち合わせ、少し早く行ったが、すでにドダ夫妻が待っていてくれた。近くの居酒屋で乾杯。談笑。奥さんのいづみさんとは30年ぶり?もっとなるかなぁ?変わらず元気に登山を続けているそう。あんな話こんな話。楽しい時間はあっという間に過ぎていく。

ドダ、いづみさん、元気でね~。また、どこかで楽しい時間を持ちましょう。
23日
今日は横浜に住む中高からの友人を訪ねて昼食の予定。
横浜線中山駅で下車、携帯電話もスマートフォンも持たない酔狼、公衆電話を探すが、かつて改札を出た連絡通路にあった公衆電話が見当たらない。電話難民。
迎えに来てもらう北口を下りると電話ボックス。電話を掛けるが呼び出し音の後、繋がったのかなと思うがすぐに切れる。固定電話、スマートフォンに何度かづつ掛けるが繋がらない。電話難民。自転車を組もうか?交番の電話を借りようか?あれこれ考えたが、取りあえず南口へ行く。とぼとぼと、ね。
南口の電話ボックスに入ると電話機の液晶画面に北口にはなかった「通話可能」の文字。一発で繋がり迎えに来てもらう。
北口に戻ると、すでに近くで待機してくれていたのか友人の姿が見えた。大きな輪行袋を積み込み助手席へ。ありがとね。
友人の自宅へお邪魔して、奥さん、娘さん、犬のルナちゃんと談笑。「携帯電話持たなきゃ」と皆に突っ込まれる。でもね、本当に携帯電話があればなと思うのは、今日みたいに二三年に一度なんやからなぁ~。
四人で少し離れた中華(台湾料理?)の店へ。コース料理はどれも美味しく、なんちゃら茶の注ぎ方は思わず熟視してしまう。
次々出される料理を堪能し、相変わらずの酔狼のバカ話。
最後のチャーハンを酔狼は食べきれなかった。デザート、メニューで最初に目を引いた「亀ゼリー」を注文したら、亀の甲羅のコラーゲンを使って「お肌プルプル」になるとか。爺ぃさんのお肌をプルプルにして、どんするんじゃ!!でも美味しかった。
一旦、友人宅に戻り、新幹線の時間に合わせ、また中山駅まで送ってもらう。酔狼、こうした自転車ツーリングの帰りくらいしか訪ねることができないが、いつも快く迎えてくれてありがとう。奥さんや娘さんにも感謝しかない。

元気に楽しく暮らしてね。また、アホな爺ぃさんが訪ねていくまで元気でね~
芭蕉の侘び寂びのカケラもない酔狼の自転車ツーリング
立石寺 閑さや岩にしみ入蝉の声 (観光客がいっぱいで閑さとはほど遠い)
最上川 五月雨をあつめて早し最上川 (道幅狭く交通量が多く、川を眺めるゆとり無し)
酒田 暑き日を海にいれたり最上川 (ようやく雨が上がり、ホッ)
象潟 (芭蕉の眺めた景色とは変わり想像力を駆使する)
まだまだ侘び寂びにはほど遠い酔狼の自転車ツーリングは続く。さて、次はどこへ?
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