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酔狼通信 270
18. 5
「最後の御奉公」の巻
若い頃から長い間、地元播州赤穂の自転車仲間たちとサイクリングを楽しんできた。ACC、赤穂サイクリングクラブ。
仲間たちも歳を重ね、数年前にクラブとしての活動を停止した。
一昨年、17年の秋、60歳を前にした酔狼、その秋にACCのAさんが心臓の手術を、Bさんが肺の手術を受けたと耳にした。
(一回、皆で集まって飲もう)と思い立ち、年が明けた18年の2月に、本当に久しぶりにAさん、Bさんも含め11人集まって楽しく飲んだ。
8月、Cさんの突然の訃報。お通夜に出席した後、お茶を飲みながら誰ともなく「マメに顔を合わさんと、あかんなぁ」と、しみじみと。
9月、今度は10人で集まり、飲む。その席で、「また、皆で、泊まりで走りたいなぁ。」
ということで今回のツーリングとなった。
26日。播州赤穂駅に軸さん、熊さん、りょうまさん、酔狼。萩原さん、西田さんは帆坂峠を越えた萩原さんの鉄工所の工場で合流。
播州赤穂駅をスタート。薄く雲がかかり、陽射しは弱く、暑すぎず。
順調に帆坂峠を越える。77歳になられた、りょうまさん、スーパーマンぶりは相変わらず。工場で萩原さん、西田さんと合流。西田さんと走るのは、いつ以来やろ?
いつもの道を吉永、和気、そして片鉄ロマン街道(サイクリングロード)へ。
軸さん馴染みの隠れ家で、のんびり昼食。
それでも時間が余りそうなので、片鉄ロマン街道の終点、吉ヶ原駅へ。
ついでに展示運転の幸福柵原駅へ。
そこで遊んでいた子供たちと、「子供たちvsお爺さんたち」のサッカー。お爺さんたち、走れません。しばらく遊んで、バイバ~イ。
あとは一路、湯郷へ。
宿には5時頃到着。「えぇ~っ!自転車で来られたんですか??」って、そんなに驚かれることやないやろ。
早速、風呂へ。
酔狼、風呂も温泉も特に好きではないが、明るいうちに入る風呂は大好き。でも、一番に風呂を出る。部屋に戻り、一階まで階段を降り自販機で缶ビールを買い、大相撲中継を見ながらビールを飲む。これも好きな時間。
って、相撲に夢中になってるうちに缶ビールが空になる。ん?誰も部屋に帰ってこない。え?随分時間たったよな?まさか誰か風呂で倒れた??
慌てて部屋の窓を開けて風呂の方を見ると、皆が風呂の傍の芝生で涼んでいた。なんやねん!!!
6時、夕食。
かんぱ~ぁい~。風呂上がりのビールって、うまいよなぁ~。ん?さっき、もう飲んだか?
サイクリングの後のビールって、うまいよなぁ~、ね、みんな!!!
のんびり、ゆったり、食べて、飲んで、話して、ごちそうさん。
湯郷温泉、来週は「ほたる祭」だそうで、もうホタルが飛び始めているそうや。涼みがてら、行ってみよか。で、ぞろぞろ近くの小川へ。
あっ、あそこっ!ちらほらと光が宙を舞う。ホタルはええなぁ。なんか嬉しくなるなぁ。
来週は一面ホタルが舞うそうや。
「生でホタル見るの初めてなんや」と西田さん。
えっ~!!嘘やろ~~~!!!そんなん、ありえへんやん。うっそぉ~!
ホタルより、「七十歳を前に(すでに?)初めて自然のホタルを見た人」の方がよっぽど珍しいって!!
そんな話で盛り上がるうちに、酔狼、傍を飛んでいるホタルをキャッチ。握った手の中で光っている。そっと左手の指を広げると緑色の光がこぼれてくる。「ハンドパワーや!」
しばらく、指を少し開いては閉じを繰り返し楽しみ、逃がそうと掌を広げると、飛び立ったホタルが酔狼の丹前に停まり、また、あちこち動き回るホタルの光で盛り上がる。
宿に戻り、部屋に戻り、ちょい飲み。あんな話、こんな話。
おやすみなさい。
27日。
酔狼、早朝散歩。温泉に入れる6時には宿に戻ろうと思っていたら、温泉街の案内地図にからくり時計を発見。温泉街の入口まで足を伸ばす。
が、からくり時計は朝8時からやった。
ちょっとがっかりして宿に戻る。部屋に入ろうとしたら温泉に行ったらしく鍵がかかっていた。あちゃっ。しかし、隣の部屋のドアは開いていて、そこへ逃げ込む。萩原さん、西田さんがまだ蒲団の中。「おはようさん」
しばらくすると隣の部屋へ戻ってきた様子。朝食まで温泉に入る。
朝食。相変わらずの熊さんの食いっぷり!
左の走る気満々の軸さん、りょうまさん
右はまだまだゆっくりしたい萩原さん、西田さん、熊さん
8時半、宿を出る。
合計400歳!!
集合写真を撮ってもらった宿泊客の方と歳の話をしていると、西田さん、その方のほうが年上だと思っていたと言う。すかさず他の皆に「どう見ても、あんたの方が年上やろ!」とツッコまれる。いや、自分の姿は見えんとはいえ、それは無いやろ~。
今日は朝から陽射しが強い。暑くなりそうや。
川沿いに、のんびり走る。
周匝の手前、以前はよく走った川沿いの道路を目指す。昨日の昼食の店での情報では「土砂崩れで通行止め」やったけど、自転車やったら大丈夫やろ。
入口に「通行止め」の看板。
萩原さんが、すぐ側のお宅の方に状況確認。「山仕事に行く人は、そこまで軽トラで入ってる」とのこと。それなら、たぶん自転車やったら大丈夫やで。
入口のバリケードも軽トラが通れるほど開いている。
で、どこが通行止めやったん、っていうくらい快適な緑のトンネルを走り抜ける。
サイクリングロードに入り、楽々サイクリング。佐伯でサイクリングロードを離れ対岸へ。車が少なく快適なコース。
和気で萩原さんお薦めのお好み焼き店で昼食。
少し走って吉永駅でトイレ休憩。ほんの少しのビールですぐトイレ。あ~ぁ。
三石の手前で後ろから「涼しい所で休憩しよ」の声。酔狼「もうちょっと待って、三石で寄り道するわ。」
三石で赤穂への道を離れ、駅の方へ向かうと、今度は後ろから「どこまで行く??」の声。「すぐそこ~」
で、駅を過ぎてすぐの線路の下の煉瓦のトンネルへ。ここは皆、知らんやろ!
明治23年(1890年)に山陽鉄道が三石駅まで延伸している。そして、このトンネルは当時のままのもの。なお、複線化の際に南側
半分が増築されている。その違いは素人目にもはっきり判る。
いや、何より「涼しいやろ~」
しもた~。写真が無い~。
って思ったら、りょうまさんが写真をくれました。ありがとうございます。
あとは、ひたすら帆坂峠を目指す。
峠の手前、鉄工所が萩原さん、西田さんのゴール。お疲れさんでした。
もうひと頑張り、峠を越えて、あとは下って播州赤穂。
流れ解散で、りょうまさん、熊さんと別れる。JRの踏切を越え国道の赤信号で、軸さんビンディングが外れず立ちごけ。
危ないこけ方やなかったから、後ろで笑ってしまった。でも、ブレーキレバーがけっこう内側に曲がってたから、衝撃は大きかったのかな。ま、これで無事故のツーリングの、なんや、なんか言うやん?
で、すぐ先で軸さんとも別れツーリング終了。
77歳になったりょうまさんは相変わらずスーパーマンやったし、軸さん、熊さんのパワーも変わらず、萩原さん、西田さんの粘り強さも変わらなかった。皆、まだまだ元気にやりましょうね。
昨年初めの飲み会を最後の御奉公と思っていたが、Cさんの突然の訃報で、秋の飲み会、今年新年の飲み会と続き、そしてこのツーリングが最後の御奉公かな。
サイクリングと出合い、ACCと出合い、皆さんと出合ったことに感謝、感謝。
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