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酔狼通信 272
19. 1
年末、二日分の青春18切符が舞い込んできた。急遽、出かけることにした。
3日。始発で一路四国松山へ。自転車を組み走り始める。午後の空は晴れ渡り、さほど寒くはない。伊予市を経て瀬戸内の海岸沿いへ。青春18切符のポスターでも有名になった下灘駅へ。
10数年ぶりの訪問。正月休みのせいか、かなりの人出。12年前は人はいなくて友人と自転車3台をホームに引き入れて写真を撮った。
日本で一番海に近い駅(たぶん)
ここから大洲まで日和って輪行することも考えていたが、天気もいいし走ることにする。途中、長浜で赤橋(跳ね上げ式の開閉橋)を見て、さらに肱川を10km遡る。
今回、大洲のビジネスホテルに連泊。早々に寝る。
今回のメインテーマは「肱川あらし」。秋から冬にかけて大洲盆地で発生した霧が狭く深い谷に沿って真っすぐ肱川沿いに河口の長浜へ流れ下り、条件次第では長浜ではまさに「あらし」となって吹き荒れる。06年の11月、長浜で泊まった際には「大あらし」やった。それ以来、酔狼の「もう一度走りたい所リスト」の上位にある。しかし、気象条件次第ということもあってなかなか実現しなかった。今回、18切符で「あかんかったら電車乗りに行った」ことにしよ、ということで実現した。
明日の予報も晴れ。期待できるかも。夜中、トイレに起き窓の外を見るが霧は無い。
4日。早々に起きて朝食。6時過ぎ、まだ暗い町へ走り出す。大洲盆地に霧は出ているが、どうなんやろ?期待と不安の中、肱川沿いに長浜を目指す。約16km。こんなに長いナイトランは本当に久しぶり、今の自転車では初めて。いや、初めてのナイトランが早朝って!!
川を下っていくと、途中で霧が薄れてしまった。あ~、今朝はあかんのかなと思っていたが、河口が近づくにつれ追い風が強くなってきた。霧はさほど濃くないが期待できるかも。
長浜。前回は民宿のお母さんの「展望台よりも赤橋の方がいいよ」という言葉で展望台には上っていないので、今回、最初はあえて展望台へ。150mほどの上り。
展望台から肱川を見下ろすが、ネットの動画で見るような霧の流れは見られない。薄い霧が流れるだけ。8時ころまで約30分、寒い展望台で粘ったが、残念。しかし、河口の沖合には映像で見るような霧が海面に浮かぶ。
下って、赤橋へ。
すると凄い。前回ほどではないけれど、川面が波立ち風も強い。
霧よりも川面の波に注目!
風は強く冷たく、手袋を脱いでシャッターを押す指が凍える。体も寒さに凍え、10分足らずでギブアップ。でも満足、満足。いやぁ、自然の力ってほんまに凄いなぁ~
長浜を後に、早朝下ってきた道を数km引き返すが、向かい風が強いし寒い、寒い。しかし、2kmあまり走ると風が弱まり、霧も無くなる。いやぁ~不思議やなぁ。
伊予出石駅付近から支流沿いに上るが、谷底に陽は射さず寒い。休憩もままならない。陽が射す場所を見つけては小休止。
なんとか郷の峠(660m)を上りきる。道路はさらに山頂の出石寺まで続くが上る気力はもちろん無い。八幡浜側へ下る。長い下り。八幡浜側は途中からミカン畑が続く。
あ、ミカンも袋掛けするんや!
八幡浜の港近くで昼をと思っていたが、正月は漁師の皆さんも休みなので市場も休み。すぐ傍に「八幡浜ちゃんぽん」を見つけ昼食。少し迷ったがビール。ちゃんぽんで冷えた体を温めているのに、ね。
八幡浜から輪行する奥の手も考えていたんやが、まだまだ時間も早いので以前走ったことのある夜昼峠へ。旧道は車もほとんど走らず格好のサイクリングコース。のんびり走る。夜昼峠は陽があまり射さず暗い大洲側(夜)と冬でも暖かい陽の射す八幡浜側(昼)の対比の面白い峠で、今日も名前の通りやった(これは私の勝手な解釈)。
石垣の切通しの峠は覚えていたが、峠のすぐ手前の煉瓦のループトンネルはまったく覚えていなかった。さらに白状すると、ループになっていたことにも今回気が付かなかった。
林間の長い下り。280mと上った以上に下った感じ。ゆっくり下ったせいもあるが、20分ほどかかった。
朝の展望台と合わせ合計1000m余りの上りを自画自賛。冬にしては良く走った。
大洲城をささっと見て宿に戻り、熱い風呂で生き返る。お疲れさん。
5日。18切符でひたすら各駅停車の旅。乗り継ぎ時間も含めほぼ10時間。疲れた~
伊予線は海側の旧線を利用したが、今朝は肱川に霧も無く、下灘駅も灰色の海。天気に恵まれた旅やった。
また、どこかへ行こう。
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