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酔狼通信 302
25.05
 22年の夏、ぶらりいつもの自転車散歩コースを走り、国道2号沿いの西有年のコンビニに立ち寄った。
 サイドバッグ四つを付けた自転車を停め、酔狼もいつも利用する隣のカー用品店前のテーブル、椅子に座って休憩中の同年輩のサイクリストがいた。
 日に焼けた顔は酔狼には何となくイタリア人に見えた(タレントのジローラモさんを連想した)。いつもの調子で声をかけ、どこから来たのか尋ねたら、意に反して台湾の方だった。

 

 陳さんは学校の先生をしておられて、夏休みを利用して日本へやってきて、青森から日本縦断中で、この後岡山方面に向かうと言う。何年か前には北海道一周のサイクルツーリングもやったそう。

 

 岡山県境の船坂トンネルは狭く、交通量も多いので、旧国道船坂峠へ道案内することにする。ま、酔狼は国道2号自体走りたくない。
 国道2号を少し走ると鯰峠。ここを下って梨ケ原へ。ここから国道を離れ旧国道、元の山陽道へ逃げ込む。車の来ない田舎道を雑談しながら進み、旧国道船坂峠の細い道へ。

 

 旧国道の上には元の山陽道の痕跡もあり、「従是西備前國 従是東播磨國」の国境石も残っている。
 峠を下り、国道2号に戻り、三石の町中で「まだ短いトンネルが幾つかあるから気をつけてね」と声をかけ別れた。
 あ、陳さんはかなり日本語が上手で、酔狼の乏しい英語よりも日本語での会話の方がうんとスムーズ。
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 陳さんとはその後、Facebookで繋がり、楽しく投稿を見させてもらっている。

 

 普段はマラソンもされる大学の先生で、歳は酔狼より少し若いだけやが、元気はつらつ。

 

 

 その陳さんが今年大学を定年退職し、4月から2ヶ月くらいの予定で本州一周をするとのこと。しかもテント持参、ほぼほぼテント生活で。呆れるほど元気やなぁ。4月の末にはまた赤穂近辺を走るとFacebookにメッセージが送られてきた。

 

 4月初旬、仙台をスタートし南下、毎日Facebookの投稿を楽しく見ていた。多い日には1日100km以上走る日もある。いやぁ、こんな真似はできない。
 毎日、さほど観光もされず、すっ飛ばしている陳さんだが、今回の旅では「富士山」を楽しみにしていたようで、富士五湖で三泊。富士山を堪能した様子。

 

 名古屋から紀伊半島を周り和歌山へ。「こんなブレーキシュー(ゴム)が手に入る所を知りませんか?」と写真が送られてきた。
 写真では少し解りづらかったが量販店「サイクルベースあさひ」で手に入るはず。和歌山市内に三店舗あるみたいなので、そこへ行ってみて。と返信し。幸い無事入手し交換できたとのこと。良かった、良かった。荷物一杯積んだ自転車で仙台から1500kmも走ってるんやからブレーキシューも減るわなぁ。

 

 30日は姫路に泊まり(宿かな?)、1日朝、姫路城を見物して10時頃から岡山に向かって走り始めると連絡があった。「じゃ、姫路城見物して走り始めるときにFacebookにメッセージを頂戴ね。」

 

 ところが、30日になって酔狼のパソコンが暴走しはじめた。誤作動を繰り返す。

 

 

 1日。朝、陳さんから姫路城の写真が送られてきた。「姫路城楽しんでね」と返信。
 
 10時過ぎ、「姫路城前をスタートします」
 陳さんと落ち合う具体的な場所を指定し返信しようとしたら、パソコンの暴走がまた始まった。暴走が収まるのを待つ間も惜しい(収まるかどうかも分からない)ので、見切り発車で自宅を後に走り始める。

 

 自宅から約15km、姫路城からは約20kmの相生と龍野の境界付近のコンビニを勝手に合流点とし走り始める。酔狼、東に向かう際、車の多い国道250号を避け海沿いに遠回りするんやが、十何年ぶりかで国道250号高取峠を越える。
 相生市内を抜け国道2号を東へ。目当てのコンビニには50分くらいでたどり着いた。
 陳さんに先行されることはないだろうと、店先で待つ。

 

 なかなか陳さんの姿は見えない。車の通行量は多い。行き違いになったかなぁ?少々不安になる。数年に一度訪れる「スマートフォン持っとけば、こんなことにならんのになぁ」

 


 しびれを切らしかけた「走り始めます」メッセージから1時間20分少々。サイドバッグ四つ、フロント、リアの計六つのバッグの陳さんがやってくる。
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 「久しぶり~、また会えて嬉しいね~」
 
 コンビニのコーヒーで店の前のベンチに座り談笑。今夜は瀬戸内市のキャンプ場に泊まるそうや。計画したルートをスマフォに表示して見せてもらったら、ブルーラインを通るようになっている。
 「陳さん、残念やけど、この橋は自動車専用で自転車は走れないから、国道2号をもう少し西へ走って、ここから県道を南は行きましょう。」

 

 それじゃぁ、行きましょうか。と、国道を離れ、ここも旧国道、旧山陽道に逃げ込み、旧街道を相生市内へ。
 食事は何がいいですか?和で、というリクエストで、昼食。陳さん、食欲旺盛。
 話は尽きないが、西へ進みましょう。
 
 ここからも、国道2号は避け、酔狼がいつも走る旧道、田舎道を走り、1時間ほどで3年前に出会った西有年のコンビニへ。出会ったときのように、またテーブルをはさみ椅子に座って談笑。
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 3年前と同じルートを鯰峠、船坂峠と越え、三石に下って、播州赤穂への分岐で陳さんと別れ、後姿を見送る。

「陳さん、安全走行で無事本州一周、完走してね!」
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 酔狼は帆坂峠を越え、播州赤穂の自宅に帰宅。シャワー、洗濯の後、Facebookに写真を数枚アップする。

 2日。再びパソコンが暴走。というか、Facebookに入れない。パスワードが違う、パスワードの設定を変えようとするが、送られてくるログインコードを入力するが跳ね返される。
 Facebookがなくてもいいか、とも思うが、Facebook上でしか連絡を取り合っていない友人もいるので、それもなぁとも思う。
 それから一週間余り、未だFacebookにはアクセスできない。さてさて、どうなることやら。
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