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酔狼通信 289
22.11
「石見・出雲の旅」の巻
ぽっかりと仕事が休みになり、片雲の風に誘われ島根県の西端益田へ。
23日。この日は移動だけ。山口線の車窓から見える雨に濡れた風景に石州瓦の赤い屋根がやけに綺麗に見える。
駅前で自転車を組み立てていると、昔ながらのランドナータイプの自転車に食いつく方が現れ、あれやこれや。
ネットで宿を予約したら「全国旅行支援」とかで四割引き、おまけに「しまねっこクーポン」が一泊あたり三千円もらえて、結果、ビジネスホテルに千円余りで泊ったことになる。有り難いけど、税金使ってそんなことしてていいのかとも思う。
24日。
医王寺総門は七尾城大手門移築
雪舟庭園が有名やそうやが、庭園はさっぱりわからんのでパス
海岸線を走る国道9号を避け、191号で山の中へ。小さな峠を越え細い県道へ。この道はほとんど車が来なくて走りやすかったが、昨日の雨の名残か気温が低く、下りで震えあがった。浜田市街へ下り、暖かいラーメンをとラーメン屋を探すがなかなか見つからず、町中を抜けた先でようやく見つけ、暖かいラーメンで生き返る。
海岸へ出て、石見畳ヶ浦へ。以前走ったときにはなぜか見過ごしていた。
なかなか面白い地形で楽しんだが、生憎満潮(かな?)だったのが残念。引き潮のときに来れば更に楽しかったのになぁ~
午前中の走りで脚を使い切り、更に気温が低く午後は脚が回らない。疲れ果てて江津の宿へ。宿の大きな風呂に入り生き返る。
25日。
いつものことながら、走り疲れて早々に寝て、早々に起きるので、早めに宿を出る。
少し走って18年に廃線になった三江線江津本町駅あたりへ向かう。江津本町駅は山陰線江津駅からわずか1.1km。名前の通り、かつては江の川の船運、海運の川港として栄えた江津の中心。
廃線から4年余り、線路が取り除かれ橋脚だけが立っている風景が寂しすぎる。
1時間ほどで温泉津へ。源泉のひとつ薬師湯へ。ちょうど開業の時間でお姉さんが札を「営業中」に替えに出てきたところやった。サイクリングの途中で風呂に入ることは、ほとんど無いし、今日も温泉津温泉街の町並みだけ楽しむつもりやったが、気が変わり薬師湯の一番風呂に。
お姉さんが丁寧に入湯方法を説明してくれる。あ~気持ちえぇ~
左:薬師湯、手前が旧館、現在は奥のおしゃれな建物
湯冷めしないように、しっかり水気を拭き、走り始める。以前泊った長命館、もう一つの源泉元湯も健在。
国道9号に戻り仁摩から石見銀山へ向かう。石見銀山大森の町並みもお気に入りのひとつ。四度目になるか?
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大田市街へ下り、昼食をと思うが走ったコースに適当な店が無く、国道を離れる手前のコンビニでお握り弁当を買う。手頃な場所で食べようと思ったが、思った以上に風が強く、ようやく波根の港で昼食。風も少し遮られ、よしよし。
海を眺めながら、ぼんやりしていたが、明日行くつもりの古代出雲歴史博物館へ今日行けるんじゃないかと思いつき地図を見ると、頑張れば今日のコースに取り込めることに気付き、頑張ることにする。天気予報では明日は雨もありそうやしね。
多伎の道の駅の先で国道を外れ海岸沿いの道へ。しかし思った以上に小さなアップダウンが続き疲れる。ようやく旧大社町の平坦な場所に出てやれやれ、出雲大社の門前を素通りし、すぐ脇の博物館へ。再訪。
どうせやからと、常設展だけじゃなく特別展も見たけれど、やはり圧巻は常設展示された出雲大社で発掘された宇豆柱(うづばしら)、三百本余りの銅剣、銅矛、三十余りの銅鐸!
お勧めです。
さて、後は宿まで5km余り。もはや脚は少しも回らない。
夕食、蕎麦屋で食べた「マイタケ天と蕎麦の定食」。蕎麦より何より「マイタケの炊き込みご飯」がおいしかった。ビールがうまいっ!
26日。
天気予報では午後の雨の確率が高い。7時半には走り出す。
出雲平野のあちこちに築地松
平田の町を抜け、一畑電車一畑口駅へ。一畑電車は名前の通り元々一畑寺への参拝のために作られた鉄道で、その後、一畑口駅から一畑駅の間が廃止されたため一畑駅は平地にも関わらずスイッチバック(折り返し)になっている。
開業当時はここから3kmあまり先の一畑駅まで線路が続いていたそうです
ということで、信仰心は微塵も無いけど、一畑寺へ上がってみることにする。信仰心は無いが、なんで人々を引き付けるのかという好奇心はある。
一畑寺への上りの途中でぱらついた雨が、その後徐々に強くなり、松江市内に入ったころには本降りになる。天気が良ければ松江城へと思っていたが断念し、松江駅へ直行も考えたが、昨日予約した特急の時刻まで有り余る時間。国宝の神魂神社へは行ったことが無いので行ってみよう。そう、「とりあえず国宝は見ておこう」。
本殿は現存する日本最古の大社造りだそうです
神魂神社を後に松江駅へ。1時。4時の特急まで時間があり過ぎるので、みどりの窓口で1時間早い列車に変更してもらい、自転車を袋に、乾いた服に着替え、昼食はなぜか「牛タン」。定食についた魚のそぼろ煮がおいしかった。あ、牛タンもおいしかったけど、魚は単品でないかメニューを見直した。単品であれば、魚とビールをもう一本の気分やった。
特急で岡山まで。赤穂線で播州赤穂へ。ほどよく疲れた三泊三走の旅。
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