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酔狼通信 274-3
19. 8
「19年夏 東北ツーリング」後編
 12日。
 朝、昨日の雨で汚れたリム、フレームの泥を掃除し、チェンなどに油をさす。

 

 市街を抜け県道62号線を西へ。
 「6km先から8km未舗装」の標識。なんとかなるやろ~
 さらに「この先 通行止め」の標識。えつ、えぇ~~。バリケードも無いので、行けるかなぁ?と思いながら、ダムへの上りを上るが、ダムの先未舗装に変わる所にバリケード。地震で崩れたままのようや。
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いつものことながら、なんで事前にちゃんと調べんかなぁ?我ながら呆れる。
 半分ぐらい覚悟してたけど、いきなりの無駄足。一本北の県道12号線に迂回する。

 

 12号線はけっこう交通量もあり、少し走りづらい。ま、この道が一番近いのでしょうがない。朝は少し雲がかかっていたが、次第に快晴に。朝から陽射しが強い。
 じわじわじわじわ高度を上げる。なんとかかんとか上ってく。

 

 疲れ果てて峠のトンネルに。トンネルの手前に旧道(峠)への分岐。トンネル走りたくないなぁ~。車多そうやなぁ。それにこのツーリングで峠らしい峠はこれだけやしなぁと、峠を上る。幸い、勾配が緩くなり、車も来ないので峠までの130mほどの上りは先ほどまでよりは快適に走れた。八木沢峠(520m)が今回の最高点。だけど峠の展望は無し。早々に下る。

 

 下ると飯館村。ここも原発事故のニュースで何度も耳にした地名。ここも作られていない農地が続く。そして廃棄物の入ったフレコン、それを覆い隠す緑のシート。
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ここも何かなぁと思ったが、フェンスで囲まれているので、きっと廃棄物の仮置き場になるのかなぁ?
 事故から9年。時間の止まったままの被災地があちらこちらに。生活の匂いがしない。

 

 そこだけ人のたくさんいる「道の駅」で休憩。ここでもイベントが行われていた。福島の桃のジュースでのどを潤す。

 

 小さな坂を越えて川俣町。景色が一変する。畑に野菜。田んぼに稲。ごく当たり前のことが当たり前にできない原発被災地(川俣町の一部も一時は避難区域だったそうです)。

 

 川俣町で手ごろな食堂が見つけられず、さらに一つ小さな峠を越え二本松市に。東和地区の食堂で少し遅い昼食、ビール。ちょうどTVで夏の甲子園の中継中。地元の代表校が一点差で負けたところ。店のオヤジさんが常連客に力いっぱい解説していた。
 市街地に入る手前、阿武隈川沿いの涼しい木陰の道を見つけ逃げ込む。

 

二本松城。戊辰戦争の会津の少年隊(白虎隊)が有名やけど、ここ二本松でも悲しい戦いが繰り広げられたそうや。
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 ゆっくり山上の天守跡まで登り、木陰をぶらぶら下りてくる。

 

 快晴、陽射しが強く、台風の影響か気温も高く、疲れたので早々に宿へ。

 

 「智恵子の湯」二本松は詩人高村光太郎の妻、智恵子の出身地。生家そばの宿に泊まる。今回のツーリング、五泊中唯一の食事つき。
 酔狼、高村光太郎も智恵子抄も名前は知ってるが……
 「智恵子は東京に空が無いといふ」
 そう、二本松の空は広く青く高く、そして今日は暑い。

 

 一番風呂。缶チューハイ。夕食はボリューム満点。生ビール、お替り。
 13日。
 朝食を食べ7時半過ぎ宿を出る。県道を三春町を目指す。小さなアップダウンが続き、脚に堪える。いやぁ~、脚力落ちたなぁ~

 

 田舎道を走る。田園風景。ごくごく普通の暮らしが、ごくごく普通にやれる幸せ。
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なんでもないこの風景が有り難いと思える原発事故の危うさ
途中にあった「ペグマタイト岩脈」酔狼、こんなのも大好物。
 三春町。三春滝桜は何度もTVで見てるはず。でも今日は町中の三春城へ。城山の中腹まで車道が続くが、あまりの激坂で、麓に自転車を置いて歩く。
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 緑の三春滝桜を眺め、県道、国道、県道で須賀川市。町中の公園の木陰でコンビニの冷やし中華、ビール。30分の昼寝。

 

 暑いなぁ。走りたくないなぁと思いながら、さらに県道を南下。すぐ東を走る国道沿いには滝百選に選ばれた滝がある。酔狼、城マニアやけど、滝や名水もほぼマニア。暑いときやし、いつもなら絶対行くんやが、なんか町から近く、(人が多そうやなぁ)と立ち寄らなかった。暑いなぁと言いつつ、山城に登るのに、涼しい滝へ寄らない。自分でも、訳がわからん。

 

 須賀川からの丘陵地にはときどき果物畑ああり、時折、シーズン終わりの桃の甘い匂いが辺りを包む。

 

 矢吹町、中島村とまったく関西人には馴染の無い町を抜け今日のゴール、白河へ。
 また、桃畑から甘い匂いが。(匂いか香りか迷うが、香りでは優しすぎるので、匂い)
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 道端の直売店へ。家に送ろうと思っていたら、店のおばさんが「兵庫県までだと、二日かかるから、ダメ」って。「今は、できちゃった物を採ってるから、ダメ。収穫初めなら送れるんだけどね。」って。残念!

 

 白河小峰城。
      、大内宿、会津若松、喜多方、裏磐梯を走ったとき、白河小峰城を訪れたら、地震で石明が崩れて立ち入り禁止やった。というわけで再訪。
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 石垣は綺麗に復元されていた。天守(三階櫓)へ。

 

 今日も一日陽射しが強く、疲れたので早々に宿へ。
 14日。
 最終日。予想進路の西へ西へ逃げてくれた大型台風の影響がいよいよ北日本にも。朝から小雨が降ったり止んだり。
 天気が良くて体調万全なら那須高原へ上がろうと思っていたが、体はボロボロ、山も雲に隠れているのでエスケープルートへ。

 

 白河の関を目指す。ここ、本当は南からはるばるやってきて越えたい所やけどね。

 

 白河の関の手前で合羽を着こむ。雨の中、白河の関跡を散策。もちろん、建物などは何も残っていない。しかし、関所を囲んだと思われる土塁、空堀がしっかり確認でき楽しい。
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 白河の関を後に、さらに少し上って県境の峠へ。峠を越えれば栃木県。日光へは行ったことがあるけど、栃木を走るのは初めて。それに何より、ここからは基本下りのコース!

 

 下って黒羽町(現大田原市)は芭蕉が長逗留した所だそうや。と言いつつ、少し坂を上って黒羽城跡。土塁、堀切。
 雨は止んでくれて嬉しかったけど、この辺りから晴れて陽射しが強くなる。暑い。

 

 大田原市街地に大田原城跡。ここも黒羽城同様川沿いの丘に築かれていた。
 最寄りの矢板駅まで走りサイクリングは終了。6日間480km、脚力落ちたなぁ~が実感。それと夏の暑い中のサイクリングは辛いなぁ。
 ま、そんな事言わずに、まだまだ走りたい所があるので好奇心無くさないようにしよう。
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