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酔狼通信 292-1
23.05
なぜか写真の取り込みができなくなってしまった。
問題が解決するまで文章のみになってしまう。
読みにくいことこの上ないが、ご勘弁を。
「四万十川、四国カルスト再び」の巻
4月27日、木曜日。今は週に半分ほどしか働いていなく、巡り合わせで一足早いGW。
今回のテーマは高知と愛媛の県境の山上に広がる「四国カルスト」。四十何年か前に窪川から四万十川を遡り四国カルスト天狗高原に上った。ただただ上りがきつかった覚えがある。酔狼の「もう一度走りたい所リスト」のかなり上位にずっとある。
いつものように始発列車で相生、岡山から高知、さらに乗り継ぎ土佐久礼駅で特急列車を降りる。今回は久しぶりのサイクルキャンピングの旅。サイドバッグ二つが重い。
自転車を組み立て、バッグを全て取り付け走り出すまで約40分。
駅からすぐの土佐久礼大正市場で昼食。カツオの刺身定食に生ビール。走る前から飲むんかい!というツッコミには「いや、走ってる最中に飲むのがそもそもあかん」と心の奥で返し、それでも酔狼のサイクリングはこうして始まっていく。
カツオは「たたき」がおいしいが、新鮮な刺身はそれにも増して好きや。
国道に出て、すぐに七子峠(293m)の上り。幸い高速道路に車は流れ、国道の交通量はさほど多くなく、まあまあ走りやすい。でもサイドバック二つ付けた自転車は重く、当然ながら進まない。
窪川に下り、再度小さな峠を上り、長い下りで海岸線に出る。
テントを張れそうな場所を探しながら走るが、思うような場所はなく、入野松原の公園にたどり着くと、キャンプ場があった。いや、ちゃんと下調べをしとけよ、ネットで検索したら簡単にわかるやろ、というツッコミに返す言葉も無いが、「行き当たりばったり」が酔狼のスタイル。ま、少しは調べたけどね。
一人520円は格安。トイレと炊事場があれば十分。GW前の平日で30いくつあるテントサイトを独り占め。
テントを張り、近くのスーパーへ朝食の買い出し、そしてビールに缶酎ハイ、つまみに夜は「カツオのたたき」ん~、たたきもうまい。
夕食を食べ終わるころ(まだまだ明るい)リアにサイドバックを付けた自転車がやってきた。「こんちわ」とあいさつすると若いフランス人の方(ベンジャミンくん)で、奥さんが日本の方なので日本語での会話が充分できた。
奥さんの生まれが高知県。二人でフランスで生活しているが、今回、奥さんの実家から初めて日本で走っているそうや。
走っている時には風が強かったが、夜は弱まってくれた。
酔狼の夜は早い。早々に酔い、早々に眠る。
28日。
日の出前、松原を少し散歩。
朝食を食べ、キャンプ道具を片付け、ベンちゃんに「気をつけてね」と声をかけ走り出す。
松原を抜け、海に近い県道を四万十川の河口まで。
ここから四万十川を遡る。四万十市街、土佐くろしお鉄道中村駅。四十何年か前のツーリングは四国カルストから宇和島へ降り、雨の中、黒尊スーパー林道を走った時のゴールが当時まだ国鉄土讃線の終着駅だった中村駅。一日雨に降られボロボロでたどり着いた覚えがあるが、駅前の様子は覚えていない。
四万十川を遡り「佐田沈下橋」。四国、そして四万十川にはいくつもの沈下橋が掛かっているが、ここは四万十市街地から近く、観光の目玉。でも、まだGW前の今日も人は少ない。ってか、バイクが一台だけで他には誰もいない。
右:今回は他に誰もいなかったので以前の写真
沈下橋を渡り、対岸を数km走り、また沈下橋を渡る。
ほんの少し走った所に「キャンプとカヌーの里かわらっこ」。小腹が空いたので売店を覗くと「鮎めし」があった。昼食にはまだ早いが、おいしそうなので買う。室内に飲食スペースがあったけど、外の方が気持ちいいので、キャンプサイトに降りる階段に腰掛けて鮎めしをおいしく食べる。まだ10時半なのでビールは我慢。
蛇行する四万十川に沿って道路はくねくねと川を遡っていく。
江川崎(旧西土佐町、現四万十町)の道の駅で、さっき鮎めしを食べたばかりなのに小さな弁当と缶ビールを買って二階のテラスで二度目の(?)昼食。そう、ビールの解禁時間は過ぎている。
鮎の塩焼きもおいしそうやったけど、さっき鮎は食べたしなぁ。
午後の陽射しは強い。少し走るとサイクルツーリングの外国人のカップルとすれ違う。「ハロー」「ハロー」「ハロー」
少し走った土佐昭和駅近くで「ふるさと交流センター」にキャンプ場があるのを発見。午後まだ早いが今日はここにしよう。
一人660円と、ここも格安。四万十川の河川敷に広がるキャンプサイトはほぼ平ら。バカでかいテントが数張り(夜までに八張りほどに増えたが、どれも馬鹿でかい)。
キャンプサイトの地面は理想的な柔らかさで、テントのペグは押し込めば十分入る。そして押し込めばしっかり固定される絶妙の柔らかさ。
でも、マニュアルに忠実な周りの皆さんはしっかりハンマーでペグを打ち込んでいる。いや、ここはハンマーいらんやろ!
テントを張り、近くの酒屋と万屋で買い出し。今日のつまみは魚肉ソーセージや。
3分100円のシャワーで汗を流し、ついでにシャツとサイクルパンツ(下着)も水洗いし、テントの近くの木の間に自転車のゴムバンドを渡して干す。人間は大きな樹の影でビールをちびちび。
ぼんやり時間を過ごし、早々に夕食。川面に映る夕日がきれいや。酔って早々に眠る。明日は雨の予報で、雲が出て星は見えない。
29日。
すぐにも降りだしそうな空模様。スマートフォン、携帯電話を持たない酔狼、最新の天気予報は判らない。
ここで連泊することも考えたけど、走ってみようか。
テントを撤収し走り出したら、ポツポツと降りだした。慌てて合羽(上)を着こんだら雨は上がる。
今日の予定は梼原まで。距離にゆとりがあるはずなので、少し寄り道して早朝からやっている土佐大正の道の駅で土産物を物色しようかなと考えていたが、分岐まで来たら「梼原58km」の標識。あれっ、思ったよりも距離がある。そんなに脚に余裕があるわけではないので道の駅は諦めて梼原に向かう。
支流の梼原川に沿って走り始めると雨は本降りになり、ここからは合羽のズボンも履いてヘルメットの下にフードも被って完全な雨支度。
朝から40kmほど走った所に地元の販売所。休憩、休憩。
時間は10時過ぎとまだ早いが、朝食も早かったので、いなりずし、野菜の天ぷらのパック、暖かいお茶を買って軒下のベンチで食べる(びしょ濡れの合羽のままなので外)。暖かいお茶で生き返る。
その先の分岐を過ぎると梼原までの県道は車がすれ違うのも困難な狭い道が多く、酔狼のサイクリングにはちょうどいい。でも本降りのサイクリングは、ちょっと辛い。ちょっと辛い。いや、辛い。トンネルで雨を避け休憩。また雨の下へ走り出す。
梼原で国道に出ると一気に交通量が増えた。いや、たいした量ではないんやが、そこまでが「まったく」という状況だったので、ね。
梼原の町中から少し上った「太郎川公園」のキャンプ場でキャンプのつもりやったが、雨のキャンプは嫌やなぁ~。ということでキャンプ場下の「ライダーズイン梼原」を訪ねてみる。幸い部屋は空いているという。チェックインは15時なので、ひとまず「お願いします」
で、太郎川のキャンプ場の様子を見に行く。何年か前に利用したことがあるが、その時には広場にフリーサイトがあり管理人のおじさんが一人いるだけだったが、キャンプブームに乗っかって新しく車の乗り入れのできるサイトを造り、若いスタッフ二三人に増えていた。
フリーサイトの地面はすでにずくずくで、ちょっとキャンプはつらいなぁ。
ま、とりあえず様子見で近くのラーメン店で暖かいラーメンを食べ一息入れる。
食べ終わってもまだ15時まで1時間余りある。前回走った時に、疲れ切ってトンネル上の千枚田はパスしたので、時間潰しに雨の中、歩いて登る。雨はときおり強く降る。今夜はテントはやめてライダーズインやな。
わざわざ雨の中、歩いて登ったけど生憎千枚田は確認できなかった。
旧道を一旦町中まで下り、スーパーで買い出し。今夜は手抜きで弁当、イワシの煮つけ、サラダ。
バイクツーリング向けの「ライダーズイン」は各部屋の前に雨避けの駐車スペースがあるので幸い自転車は濡れずに済む。
受付に電子レンジがあったけど、ずくずくに濡れた靴(古新聞を貰って中に詰め込んで水気を取っている)をもう一度履く気になれず、弁当を温めもしなかった。我ながら横着やなぁ。
いつもどおり早々に酔い、早々に眠る。
夜中、かなり強く雨風の音が聞こえ、ライダーズインにして正解やな。根性無しで良かった。
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