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酔狼通信 278-2
20.11
 宮崎県に入った。これまでに宮崎県は二度走ったことがあるが、過去はいづれも熊本県から五ヶ瀬村に入り、椎葉村、高千穂町と山の中ばかり走っていて酔狼には「南国宮崎」のイメージはまだない。今回はほぼ海沿いを走るので楽しみや。

 北浦町の道の駅のレストランで昼食。「天ぷら定食」は天ぷらも美味しかったが、刺身、そして「あら炊き」が美味しかった~
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 遅い昼食の後、少し走って国道を離れ海沿いの細い県道を走る。このままでは今日の目的地延岡に早く着きすぎるからと、遠回りの道を選んだが、結果はそんな余裕は無かった。ここの三つ続いた坂はきつかった~
 
 なんとか国道に戻り、延岡の町へ。

 延岡城。昨日の佐伯城ほどの山ではなく小高い丘に築かれた、いわゆる平山城。城は公園として整備されていて歩きやすかったが、立派な石垣が残っているのに整備され過ぎた感じで少し物足りなかった。はは、単に酔狼が疲れていただけか。
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 宿に入り、洗濯、風呂、ビール、夕食、ビール、缶酎ハイは今夜も続く。
 
 
 22日。
 四日目ともなると疲れが溜り、おまけに午前中は国道10号を走る時間が長く、車もそれなりに多く少々疲れる。
 
 美々津の古い町並みで一服。
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 再び国道を南下し、旧リニアモーターカー実験線の方に逃げ込んでやれやれ。
 実験線の跡はどうなってるんやろと思っていたら、見事に全面にソーラーパネルが設置されていた。(と綴りながらネット検索してみたら『世界で一番細長い太陽光発電所』だと)
 都農駅から国道を横切り、畑の中の県道を走る。車は少なくのんびり走れて気持ちいい。欲を言えば、もう少し軽快に走る脚力が欲しいなぁ。
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少し車の多い国道を走った後なので、こういう何でもない景色が気持ちいい
 昼食は小さな川の土手のきれいに刈られた草に座ってコンビニ弁当と缶ビール350ml。
 今日も暖かく、走っていればしっかり汗ばむ。ビールがうまいっ!
 
 しかし、ここから西都市に向かう100mほどの坂がまったくノーマークで、苦戦した。
 西都市の市街地を抜け、古墳群のある丘に上る。そしてこの坂も予想外にきつかった。ちゃんと事前に調べんかい!という話なんやが、この性格はどうしようもない。
 
 丘の上に広がる古墳群は300基余りもあるそうで、名前だけはずっと前から知っていたが、実際に見ると、なんとも面白い風景。台地上は畑として利用されている所もあり、開けた土地に古墳が点在する。いや、所狭しと、かな。
 
 台地のほぼ一番奥にある西都原考古博物館の展示を眺め、地図を片手に、散策路をあちらへ、こちらへ。

 本当はもっと時間をかけて、のんびり廻ればえぇんやろが、けっこう急ぎ足で廻ってしまった。
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 今夜の宿までは20km足らずやが、本当に脚にきている。途中、旧佐土原町の旧市街にある佐土原城を目指すが、城への入り口を見過ごし、通り過ぎてしまう。疲れたし、佐土原城は諦めようかなと思ったけど、心と体に鞭打って引き返す。地元の方に尋ね、なんとか歴史資料館にたどり着く。周辺ではこの日「島津豊久フェスティバル」が行われていて、どうやら、その案内用の立て看板に惑わされて大きな道路なのに入り口を見過ごしてしまったらしい。
 
 道を教えてくれた方の話では「夏の台風で道路が崩れて城には登れない」ということだったが、資料館で尋ねたら、「今日に合わせて一部修復し登れるようになってます。3時半までに登り始めてもらえれば登れます。」と嬉しい返事。
 時刻はすでに3時を少し回っている。資料館は後回しにして裏手から山城を目指す。登城路はシラス台地を削って作られた狭い通路で、南九州独特の作り。ワクワクして山道を歩く。
 通れるようになった登城路も一部迂回したり、別ルートを使ったりと、苦労が見えるし、あちこちに役場の担当者が立っておられ、ご苦労に感謝、感謝。
 
 本丸まで楽しく登り、山を下る。三本あった登城路のうち、一つを辛うじて通れるようにしてあり、本丸以外の曲輪には立ち入れず、復旧が待たれる。一部だけやったが酔狼には楽しい山城歩き。
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 でも、疲れはピーク。残りの数kmを走り宿へ。
 洗濯、風呂、ビール、んん?もうわかったって?お休み~
 
 明日の予定は、宮崎市内を抜け、青島から日南海岸を南下して日南市の飫肥城まで。朝起きて脚がパンパンやったら、走らずに飫肥までJRで行こう、か、な。
 
 
 23日。
 最終日。
 日南市飫肥城まで走り、輪行し一旦宮崎市まで戻り、夜、宮崎港からフェリーで神戸に帰る予定。ちゃんと走れるか、不安で一杯。
 今の仕事場は63歳が定年で、今年から勤務時間が減っている。仕事の都合で勤務時間はバラバラ。週に丸々五日働くことはほとんど無い。それが、五日続けて走ってるんやから疲れるのは当然やな。
 
 毎日早い時間に出発するが、今朝はさらに早く、7時に出発。
 風が強い。西寄りの強い風がときには後ろから、ときには前から吹き付ける。走りづらい。そして、さすがに県庁所在地、車も多い。
 
 とりあえず青島まで走って、そこから先はJRで飫肥まで行こうかな。
 
 川幅の広い大淀川に架かる自動車専用道路に付設した歩道上を走るが、遮るものの無い橋の上は、横から強い風が吹き、風上側にしか歩道が無いため、強風に低いガードレールに区切られた車道に吹き飛ばされそうになる。恐い。まともに走れない。情けないが、サドルから尻を離し、左足で地面をチョンチョン蹴って、チビチビ走る。いや、走ってないな、これは。
 こらあかんわ。青島から輪行しよう。
 
 青島。写真やTVで何度も観たことあるが、面白い景色やなぁ。
 青島に渡る橋を行きは風に飛ばされそうになりつつ渡り、帰りは強い向かい風の中、自転車を押して戻る。
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 ここ青島から輪行やな、と思いつつ、ひょっとして、うまくすれば青島から南は山が海岸まで迫っていて、西風が弱まるかもしれないなと、ハンドルを南に向けて走り出す。飫肥までは50km足らず。時間はったっぷりあるし、あかんかったら途中の駅から列車に乗ろう。

 堀切峠。風は期待どおり気にならなくなったが、よれよれ。海が綺麗や。
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 ここからはほぼほぼ日南海岸の海岸線を走り小さなアップダウンを繰り返す。計画ではトンネル部分は旧道の海岸線を回ることも考えていたが、そんな余裕はない。唯一、鵜戸神宮への旧道を走っただけ。それも、歩くのは億劫で、神宮には立ち寄らず。
 
 それでも気持ちよく日南海岸を走り抜け、国道を離れ飫肥を目指す。やれやれ、飫肥駅にたどり着き観光案内所で地図を手に入れ飫肥城へ。12時直前やったが食事は後回しにして城に向かう。

 飫肥城。ここもシラス台地を利用した南九州独特の曲輪の造りで面白い。
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 城の散策を終え、城下町をぶらぶら。食堂を一軒のぞいたが、食事時で時間がかかるとのことで別の店を探す。駅から城に向かう途中にチェックしていた城下中心からは少し離れた店で昼食。うな丼、ビール。鰻がうまかった。ビールももちろん、うまいっ!
 駅まで数100m。無事、走り切ったことに感謝。
 
 駅で自転車を袋に入れ、発車までの1時間あまり文庫本を手に、うつらうつら。
 3時過ぎの南宮崎行きの一両列車(一両なのに列車はおかしいやろ?何て言えばええん?)に乗り込み、1時間で南宮崎駅。日豊本線の宮崎駅までの接続列車が無いと思っていたら、特急列車に一駅、特急券なしで乗れるようや。あ、そういうことやったんや。
 
 ここで駅の階段を上り下りし、宮崎駅でまた階段を使うのは嫌なので、予定通り、ここで自転車を組み、フェリー乗り場のある宮崎港まで数km走る。
 自転車をそのままフェリーに載せるのは、明日の朝、通勤ラッシュの電車を避けるため、神戸港から明石まで20kmほど走るため。
 フェリー、二等寝台は一部屋に2段ベットが6台あるが、この部屋の利用は4人だけ。
 目覚めれば大阪湾。あ、そうか、宮崎からやから瀬戸内海やなしに四国沖の太平洋を走るんや。
 神戸港―明石も車は多いが、まずまず走れて無事明石着。無事、走り終えることができ感謝。飫肥から南を走る機会があるかなぁ~
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