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酔狼通信296-1
24.05
酔狼、今は週に二三日働いている。なのでGWのような長い連休はやはり嬉しい。
ただ今ここへ行きたい!という強い思いは無いので、天気の良さそうな日を睨んで、できればテントを持ってぶらり走りたい。
連休後半の方が天気は良さそうな感じやが、好天が続きそうな気配が無い。
28日、近場のお馴染みのコースを走る。途中で出遭ったツーリング中のサイクリストはイタリア人。3月に鹿児島をスタートして札幌まで走るそうや。
いつものように、気軽に声かけたけど、元々大した英語力ではなかったが、ほとんど文章にならない会話に、我ながら呆れた。
30日、1日とあまり予報は良くないが、5日までの予定で出かけることにする。
「24年GW 四国東半周の旅 前篇」
30日。
始発で高松へ。自転車を組み、走り始めるが、すぐに小さな雨が降り始める。天気が良ければ屋島や五剣山の海岸線を大回りしようと思っていたが、ショートカットでのんびり休み休み走る。幸い1時間余りで雨は上がる。
国道から志度(現さぬき市)の旧街道へ逃げ込む。平賀源内旧宅、少し古い感じの自転車二台。中に入ってお会いしたら、なんとお二人とも79歳!!千葉と栃木から来られたそうで、高校の同級生だそうです。いやぁ、元気もらいました。播州赤穂の仲間にも80歳を超えた方がいらっしゃるが、目標にするにも遠すぎて‥‥今回はこのお二人に元気もらいました。
国道を外れたルートを探しながら東へ。東かがわ市の「とらまる公園」のキャンプ場へ。
今日はカレンダーでは平日なので、空いているだろうと思っていたが、広いキャンプ場を独り占め。
早い夕食を食べ、ひと眠りした9時ごろに雨が降り始める。慌てて自転車を屋根の下へ。
5月1日。
雨は降り続け、この日は走っている間はずっと雨。昨日の出発前、少々の雨の予報はあったが、ここまでの雨は覚悟していなかった。ま、でも天気ばかりはしょうがない。
通勤時間に走ったこの朝、いわゆる外国人技能実習生の多い事、多い事。人口3万人に満たない東かがわ市に、いったいどれだけの外国人技能実習生(実態は超低賃金労働者)がおるんやろ?
政治家がいくら好景気を口にしても、実際は大企業以外は、こうした低賃金労働者(派遣社員なども含む)に支えられている。大企業もそうした部品メーカーなどで成り立っているので、日本全体がそういうことやね。
カッパ着て自転車で職場へ向かう彼ら彼女たちとすれ違う度に「おはよう」と声をかける。
引田の先からは海沿いの一本道になったので国道11号を走ってたが鳴門市に入り鳴門市街を目指し国道を離れる。
徳島市内で昼食。温かいうどんが嬉しい。
徳島市内を抜け、勝浦川沿いに今夜のねぐら、勝浦町の前川キャンプ場へ。キャンプ場に着いた頃にようやく雨が上がる。
小さなキャンプ場にテントが二張り。どちらも不在やったが、一つは金剛杖が置かれているので、お遍路さんかな。もう一張りは炊事場の屋根の下にサイドバック付けた自転車が二台。寝袋も干してある。道具の感じから外国人かなぁ?
テントを張り、乾いた服に着替え、町中にあったコインランドリーへ。中に外国人のカップル。声をかけるとオーストリアとブルガリアのカップル。どうやら彼らの自転車のようや。キャンプ場でまた話せばいいかと、ここではあいさつ程度の会話で済ます。
「See you later」と別れ、洗濯乾燥を終え外へ出ると別の外国人カップルが歩いているのを見かける。お遍路さんかな?でも荷物が無いなぁ?と思いつつ缶ビール、缶酎ハイを買いキャンプ場に戻る。
しばらくすると、さっきの歩きのカップルがキャンプ場へやってきた。いや、戻ってきた。「ハロー」「ハロー」えっ?彼らがサイクリスト?じゃ、コインランドリーでの会話は何やったんや?さっぱり理解してへんやん。
自分の英語力の無さに呆れていたら、お姉さんが酔狼のいる東屋へやって来て「英語は話せるか?」と聞くので、親指と人差し指でほんの少し隙間を作って「ベリーリトル」と答えティタイムにするので来ないか、ティ、オア、カフィ?で彼らのいる炊事場、かまどのある屋根の下へ行き、コーヒー、チョコパイをご馳走になる。
カップルはオランダ人で、約一年半自転車で旅をしているとのこと、東南アジア、タイ、ラオス、ベトナム、チャイナ、タイワン、そして日本へやって来た。日本には7週間滞在し、それで旅は終わるとのこと。
ヨーロッパの人の遊びのスケールは違うなぁ~酔狼の若い頃にはヨーロッパのバカンスの話は耳にして、酔狼のアホな頭では、「日本もそのうちそういう社会になるのかなぁ」とボンヤリ思っていたが、アホな考えは正に「休むに似たり」やった。
今日、二人は歩きで二十番札所鶴林寺(標高570m)、太龍寺(標高602m)と歩いたとのこと。いやぁ、パワーあるなぁ。
自転車はコガミヤタ(オランダの自転車メーカーで日本の宮田自転車と提携)のフレーム、チェンではなくベルト駆動、変速機は内装。いずれもきっと雨対策だと思われる。
しばし、談笑するが、ほとんど会話になっていない。酔狼はほぼ貧しい単語を並べるだけ。呆れ返る。
遍路旅のテントの主は酔狼が夕食を終え酔って寝付いてから戻ってきて翌朝も顔を合わせることが無かった。夕方、車の方が来られてソロキャンプ。静かな川沿いのキャンプ場にテントが四つ。川の流れの音が子守唄。
2日。
オランダ人サイクリストに挨拶して出発。手持ちの五万分の一地形図の鶴林寺に続く道路に鉛筆の跡。次の太龍寺へロープウェイで上がったことは覚えているが、鶴林寺へ自転車で上がったのはまったく記憶が無い。記憶が無いということは標高差500m平均勾配ほぼ10%の坂がそのころは苦にならなかったんやろなぁと思いながら、昨日彼らが歩いてきたという言葉に刺激され、鶴林寺に向かう。今日の予定は短いし、天気もいいので行ってみよう。でも乗れんやろなぁ。どんだけ走れるかなぁ?
上り始めて1kmも行かないうちに自転車を降りて押す。サイドバック二つ、フロントバック、サドルバックを着けた自転車は重い、重い。アホなことやっとんなぁ。信仰心のカケラも無いのに、行ってどないするんや?
そこからは自転車を押し、ほんの少し走り、また押しの繰り返し。鶴峠からはさらに勾配がきつくなり押しの割合が増える。押し疲れ、ようやく門前の駐車場へ。疲れた~でも気持ちいい。
信仰心はまったく無いけれど、お参りする。元気にここまでやって来れたことに感謝。願い事はしない。神仏に祈って願いが叶うなんてことは、まったく無いからね。
掃除のおばさんに、「おはようございます。ご苦労様です。」と声をかけ、境内を歩く。
カッパの上着を着込み下る。下りの勾配も当たり前やがきつい。元々下りは下手やったけど、最近はますます下手になって、ゆっくりゆっくり下る。
鶴峠から反対側へ下り、下りきったところでひと休み。
そこから二十二番平等寺をかすめ、県道を走る。三日目にしてようやく快晴。気持ちいいサイクリング。国道55号を少し走り、県道25号を由岐町(現美波町)へ。由岐で昼食をと思っていたが食堂を見つけられなかった。
由岐からさらに田井ノ浜、木岐、日和佐の恵比須浜キャンプ場へ。この道は遍路みちになっていて歩き遍路の方をけっこう見かけた。
恵比須浜キャンプ場は一区画がかなり広い。車の乗り入れ可能。今日は空きがあるが、明日3日からはかなり予約で埋まっているとか。
管理されてるお爺さんは御年93歳。79歳のサイクリストコンビにも元気をもらったが、このお爺さんにもしっかり元気を頂いた。同級生のお婆さんも遊びに来ていて、談笑。
テントを張り、荷物をほぼ空にして、3km余り先の日和佐の町へ買い出しに。海岸沿いに少々坂があった。恵比寿洞の先、町までの真ん中あたりのホテルで17時から入浴可能。ウミガメの産卵で知られる大浜海岸を過ぎ、日和佐の町のスーパーで買い出し。町中で昼飯食って、ビールを飲もうと思っていたが、飲んでから海岸沿いの坂をキャンプ場まで戻るのも大儀なので(いや、たいした坂ではないけどね)昼の弁当とビール、夜のビール、缶酎ハイも買ってキャンプ場に戻る。
少し遅い昼食、ビールが美味い!時間は早いが、もう今日やることは無いので、早いうちから飲んだくれる。ビール500mlと缶酎ハイ350mlで酔い酔い。
隣のサイトは自転車旅のご夫婦。広い通路を挟んだ対面には世田谷ナンバーのバイク旅。
15時過ぎ、昨日のオランダ人サイクリスト二人がやって来て、再会を喜ぶ。
昨日は撮れなかった二人の自転車
16時過ぎ、酔い覚ましも兼ね恵比寿洞まで往復2km歩く。途中、前を歩く女性に追いつく。後姿を見てお遍路さんではないなぁと思っていたらドイツ人のお姉さんで3月に日本へやって来てトーキョー、キョートを旅し、今は四国を歩いているとか。
道路からほんの少し歩くと岩が波に削られた穴(恵比寿洞)があるよと誘い、恵比寿洞へ案内する。
じゃ、元気で楽しい旅を続けてね。
キャンプ場に戻り、今度は自転車で入浴できるホテルへ。オランダ人カップルはなにやら取材を受けるとかでロビーで待っている。
風呂で汗を流し全身洗ってさっぱりする。外には海を眺められる露天風呂。あ~、気持ちえぇ。内湯に戻ったら「一日頑張ったけどさっぱり釣れませんでした。」と声をかけて来た青年は大阪から来て、同じキャンプ場に大きなテントを張り昨日から五連泊で奥さんとのんびり過ごすそうや。
テントに戻り、ぼんやりしていたら、さっきの青年がやって来て談笑。ついでに大きなテントを見せてもらう。あ、なるほど。こういうやり方があるんやね。大きなテントの中に小さなテントを張り就寝スペースにして、大きなテントは前室にして床は無く、居住、調理スペースとしている。見せてもらってありがとう。
明るいうちに夕食、ビール。ビールが美味い!暗くなるころにはもうすっかり酔い酔い。空の広いキャンプ場やが、雲が多く、あいにく見える星は少ない。
トイレの帰り、大阪のご夫婦のテントでお酒を頂戴し、談笑。英語喋れるんですか、と感心されるが、ほとんど通じていないことを白状し、言葉が通じず困っているのは外国人旅行者で、そして彼らの多くは現地の人(つまり日本の一般人)とコミュニケーションを取りたいと思っているから、恥ずかしがらずに話しかけてごらん。(って、何偉そうなこと言うとんや!)
あえてシルエットで
お酒ごちそうさん。酔い酔いなので、もう寝るわ。お休みなさい。
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